みなさん、「はないちもんめ」をご存じですか?
子供のころにこの遊びを楽しんだ方も多いと思います。
でも、最近では一部の場所で「はないちもんめ」が禁止されているそうです。
歌詞をよく見ると、ちょっと残酷な意味が含まれているかもしれません。
そこで今回は、そんな「はないちもんめ」の歌詞やその背景にある意味を一緒に探ってみましょう。
関西バージョンの歌詞についても触れていきますよ。
はないちもんめの歌詞の怖い意味
都市伝説のように「はないちもんめの歌詞は怖い」という話を聞いたことがある人も多いでしょう。
でも、細かい歌詞の意味まで知っている人は少ないかもしれません。
まずは「はないちもんめ」の歌詞をチェックしてみましょう。
代表的なバージョンを紹介しますね。
代表的な「はないちもんめ」の歌詞
勝ってうれしいはないちもんめ
負けてくやしいはないちもんめ
となりのおばさんちょっと来ておくれ
鬼がいるから行かれない
お釜かぶってちょっと来ておくれ
釜がないから行かれない
布団かぶってちょっと来ておくれ
布団破れて行かれない
あの子がほしい
あの子じゃわからん
この子がほしい
この子じゃわからん
相談しようそうしよう
ここまでをチームごとに手をつないで歌い、相手チームの誰がほしいかを相談する流れです。
既に、「あの子がほしい」とか誰を選ぶか相談するのって、ちょっと怖いですよね…。
でも、「はないちもんめ」の怖さはこれだけじゃないんです。
「はないちもんめ」の歌詞の意味とは?
歌詞をもう少し詳しく見てみましょう。
まず、はないちもんめの「もんめ」は、漢字で「匁」と書きます。「匁」は重さの単位を表しています。
昔、銀貨を使っていた時代には、重さでその価値を測っていました。つまり、「いちもんめ」はお金の重さを意味しているんです。今でいう「1円」とか「100円」みたいな感じですね。
「はないちもんめ」というのは、花を買うためのお金を意味しています。いちもんめ分の花、と考えるとわかりやすいでしょうか。
歌詞の最初にある
「勝ってうれしい」は「(安く)買って嬉しい」
「負けてくやしい」は「(値段を)負けて悔しい」
と読むことができます。
歌詞の解釈には諸説ありますが、代表的なものには「人買い」があります。
つまり、はないちもんめで取引される花のように、貧しい家の子どもがいちもんめで売られていく様子が歌われているというものです。
そう思うと、急に残酷な歌詞に聞こえてきますよね。
これはあくまで一説ですが、「はないちもんめ」にはこんな解釈があるんです。
はないちもんめの遊び方
はないちもんめの基本的な遊び方は次の通りです。
- 2つのチームに分かれる
- 向かい合って並び、手をつなぐ
- 歌を歌う
- チーム内で相談し、相手チームから1人選ぶ
- 選ばれた2人がじゃんけんをし、負けた人は相手のチームに入る
- 片方のチームの全員がいなくなるまで繰り返す
これを繰り返し、相手チームの全員を自分のチームに入れれば勝ちです。
大人数で遊べるので、保育園などでもよく取り入れられています。
はないちもんめは教育上良くない?
はないちもんめは、もともとコミュニケーションをとったり、相手の名前を覚えたりする目的で取り入れられました。
チームで遊ぶことで団結力や協調性を学ぶ機会になります。
しかし、この遊びが仲間はずれやいじめにつながることも懸念されています。
心の成長を促すという意味では、はないちもんめは良い遊びかもしれませんが、もしそこから苦しむ子が出てきたら意味がないですよね。
適切に遊ぶためには、同じ子ばかりが選ばれないように配慮が必要です。子どもたちだけではなく、大人が見本として適切な遊び方を見せることが重要ですね。
はないちもんめが禁止されている衝撃の理由!いじめにつながる?
いじめにつながる可能性があるため、はないちもんめが禁止されている場所もあります。
これは、遊び方に「相手のチームから1人を選ぶ」というルールがあるからです。
この遊びは、片方のチームが全員を仲間にするまで続くため、必ず最後に残る一人がいます。それがいじめのきっかけになると考えられています。
はないちもんめがいじめにつながる理由の一つとして、2つのチームに分かれて「誰がほしいか」を相談する点が挙げられます。
「ほしい人」とは、男女問わず人気のある人や、クラスで誰からも好かれているような人です。
そのため、いつも同じ子が最後に残ってしまうといったことも起こり得るでしょう。これが精神的に苦痛を感じる原因になります。
最後の一人になることを恐れて、楽しめなくなる場合もありますよね。
もちろん、遊びとして割り切れれば問題ないですが、子供にとっては難しいこともあります。
このような遊びから、悲しい思いをする子がでることを、どう捉えるかが課題となります。
いじられキャラのようなポジションの子もいますが、それを本人が望んでいないなら、それは立派ないじめです。
遊びが楽しいもので広がるのは良いことですが、些細なところから始まるいじめもあります。
大人としては、しっかりと見守ることが重要です。
「はないちもんめ」関西や大阪ではどのように歌われている?
はないちもんめの歌詞は地域ごとに少しずつ違います。でも、どのバージョンでも人身売買の様子を伝える歌という共通点があります。
なぜこの残酷な歌が全国で歌い継がれてきたのかは謎ですが、あくまで遊び歌・わらべ歌として親しまれてきたのでしょうね。
例えば、関西・大阪では次のように歌われています。
勝ってうれしいはないちもんめ
負けてくやしいはないちもんめ
たんす長持ちどの子がほしい
あの子がほしい
あの子じゃわからん
相談しよう
そうしよう
特に「たんす長持ち」の部分、気になりますよね。
一体どういった意味なのでしょう?
一見すると「タンスが長持ちする」という意味に見えますが、その後に続く「どの子がほしい?」と合わせると違和感がありますよね。
調べてみると、「長持ち」というのはタンスの長持ちのことではなく、箪笥(たんす)と長持ちはどちらも昔の物を入れる木箱のようなものでした。
つまり、「たんす長持ち」とはどちらも同じ用途の物を指しているのです。
この歌は、人買いと農民のやり取りを描いています。
農民が「たんすや長持があるけどどれがほしい?」と聞くと、人買いが「あの子がほしい!」とその家の子供を指さす、という意味です。
歌詞の続きもとても切ないです。
「あの子がほしい」
「あの子じゃわからん」
「この子がほしい」
「この子じゃわからん」
これは、人買いに子供を売りたくない親の必死の抵抗を表しています。はないちもんめは、全体を通してとても悲しい歌ですね。
幼い頃には遊びとして楽しんでいましたが、大人になって歌詞の重みを知ると、その背景にある悲しさが伝わります。
はないちもんめが禁止される理由まとめ
「はないちもんめ」は、古くから日本全国で親しまれてきた遊び歌です。しかし、その歌詞にはさまざまな解釈があり、時には残酷な歴史を垣間見ることもあります。
以下、はないちもんめが禁止される理由についてまとめました。
- いじめにつながる可能性があるため、禁止している場所がある
- 人身売買の歌だという説がある
- 適切に遊ばないと仲間はずれの原因になる
- 古くからの遊びですが、視点によっては残酷に感じることもある
また、教育現場での適切な取り入れ方や、いじめや仲間はずれにつながらない環境づくりも重要です。
このような視点を持ちながら、子供たちと一緒に楽しく遊ぶことができれば素晴らしいですね。