新幹線を利用する際、ペットを家族の一員として連れて行きたいと思う人は多いです。
そのような方々のよくある疑問には、
- ペットを同伴しても大丈夫か
- もし同伴できるならその費用はいくらになるのか
というものがあります。
車なら簡単にペットとの旅行ができますが、新幹線での移動にはどのようなルールがあるのでしょうか。
この記事では、
- 新幹線でペットを連れて行く方法とその費用
- 年末年始や大型連休など混雑する時期の対応策
について説明します。
新幹線でペットを同伴できるのか?
新幹線でのペット同伴は可能です。
しかし、全てのペットが乗れるわけではなく、特定の条件を満たす必要があります。
JRのルールによれば、ペットを同伴するための条件は以下のようになっています。
(有料手回り品及び普通手回り品料金)
第309条 旅客は、小犬・猫・はと又はこれらに類する小動物(猛獣及びへびの類を除く。)であって、次の各号に該当するものは、第308条第1項に規定する制限内である場合に限り、持込区間・持込日その他持込みに関する必要事項を申し出たうえで、当社の承諾を受け、普通手回り品料金を支払って車内に持ち込むことができる。
- (1)他の旅客に危害を及ぼし、又は迷惑をかけるおそれがないと認められるものであって、3辺の最大の和が、120センチメートル以内の専用の容器に収納したもの
- (2)専用の容器に収納した重量が10キログラム以内のもの
2 普通手回り品料金は、旅客の1回の乗車ごとに、1個について290円とする。
JR東日本:旅客営業規則
つまり、
- 小型犬や猫、小鳥、うさぎ、ハムスターなどの小動物、が該当し、蛇や大型動物は不可
- ペットは、長さ、幅、高さの合計が120cm以内の容器に入れられること
- 動物と容器の重さが合わせて10kgを超えないこと
また、他の乗客に迷惑をかけるおそれがないことも条件の一つです。
新幹線にペットを同伴する場合、これらの基準を満たしていることが必須です。
キャリーケースに入らない中型犬や大型犬、ヘビなどの同伴は認められていないため、注意しましょう。
新幹線でペットを連れていく際の料金について
新幹線でペットと同乗する場合の料金は、手荷物料金として扱われます。これは、ペット用ケース1つにつき290円(税込)がかかります。
ペットを連れて乗るときは、乗車する日に駅の改札でペットとそのケースを見せて、「手回り品きっぷ」を買う必要があります。
この券を買うとき、ケースに貼る紙の印も一緒にもらえるので、それをケースにきちんと貼り付けましょう。
また、ペットが新幹線に持ち込むための基準を満たしていないと判断された場合は、乗車を許可されないこともありますので、その点も注意してください。
ペットを持ち込むことができる数には、明確な制限はありませんが、一人当たりの手荷物が最大2点までというルールがあるため、実際にはペットケースを2つまで持ち込むことができます。
新幹線でペットと一緒に旅行する際の注意点
新幹線でペットを連れていく場合、ペットをケージから出したり、ケージの中から身体の一部を出すことは禁止されています。
つまり、ペットを完全に収容できるケースの使用が必須です。余裕を持ったサイズのケースを準備することが推奨されます。
盲導犬や介助犬など、特別な訓練を受けた犬に関してはこの限りではありませんが、一般のペットにはこれらの規則が適用されます。
ペットに水を与える必要がある時は、乗車前や降車後、またはケージに取り付けられた給水器を使ってください。
さらに、ペットが安心して過ごせるように、おやつやケージを覆う布などを用意するのがおすすめです。
特に、ゴールデンウィークやお盆、年末年始のような混雑する期間には、さらに注意が必要です。
これらの時期は、利用者が多くなり、デッキや通路が混雑しやすく、ペットにとってストレスの原因となることがあります。
また、運行の遅延や中断が発生する場合、ペットを長時間ケージに入れたままにする必要が出てくることもあります。
混雑を理由に、ペットの手回り品きっぷの販売が一時的に停止されることもあり得ます。
ペットを連れての旅行は、飼い主にとってもペットにとってもストレスの原因となり、不安から鳴いたり、吠えたり、時には嘔吐することも考えられます。
これにより、他の乗客から不快感を示される場合もあるかもしれませんが、これらのことを十分に理解し、適切な準備をしてから乗車することが大切です。
新幹線でペットを連れていく際の置き場所について
新幹線でペットと一緒に旅行するとき、ペットのキャリーケース等をどこに置くかは大切な問題です。
新幹線にペット専用の場所はないため、主な選択肢は以下の2つです。
- 自分の膝の上でペットのケージを持つ
- 自分の足元にペットのケージを置く
膝の上にケージを置く場合の注意点
キャリーケースの大きさによっては、膝の上でケージを持つことも可能です。
その場合、隣の乗客がペットにどのような反応を示すかを考慮することが重要です。
隣にいる人が動物を苦手にしていたり、動物アレルギーがある可能性が考えられます。
さらに、隣の乗客が食事をするつもりでいた場合、ペットの存在が不快感を与えるかもしれません。
️足元にケージを置く場合の注意点
新幹線の足元の空間は限られており、ケージを置くには十分なスペースがないこともあります。
複数人で旅行する場合は、足元のスペースをその人数分利用できるためスペースに余裕がありますが、1人でペットを連れている場合、隣の席の人のスペースに影響を与えることがないように注意しなければいけません。
ケージの大きさによっては、膝の上や足元に置くのが難しいこともあるからです。
その場合、車両のデッキで時間を過ごすのが良い選択肢になるかもしれません。
ペットを同伴するときのおすすめの座席
新幹線にペットを同伴して旅行する際の、おすすめの座席は車両の出入り口付近の座席です。
予期せぬトラブルが発生した場合でも迅速に対応できるため、出入り口の近くにある席の予約が望ましいです。
ペットが突然不安を感じてしまった時にすぐに対応できる位置にいれば、安心して旅を楽しむことができます。
また、移動しやすい通路側の席を選択するのが良いでしょう。
ペット用に指定席をもう1枚購入することはできる?
ペット用に追加で指定席を購入することは認められていません。
同一旅客は、同一区間に対して有効な2枚以上の同種の乗車券類を所持する場合は、当該乗車については、その1枚のみを使用することができる。同一旅客が、同一区間に対し有効な2枚以上の指定券を所持する場合についてまた同じ。
JR東日本:旅客営業規則
これによると、乗客が同じ区間のチケットを複数持っている場合、その乗車では1枚のチケットのみが使用できるとされています。
1人の乗客が1つの列車で複数の指定席を占有することは許可されておらず、2枚目以降のチケットは無効とされます。
そのため、ペットのために別の指定席を確保しようとしても、1人の乗客が複数の指定席チケットを使用しているとみなされ、2枚目のチケットは無効になってしまうのです。
体の大きな人が自分の快適性を理由に複数の指定席を購入する場合もありますが、これも厳密には規則違反にあたります。
ただし、実際にはそうした状況に対してある程度の理解を示すこともあります。
まとめ:新幹線でペットの同乗|条件と料金、気をつけるべき点について
この記事では、新幹線でペットと一緒に旅行する際の条件とペット料金に関して説明しました。
新幹線でのペットの同伴は、小動物限定で、次の条件を満たす必要があります。
- ペットを入れるケースの縦、横、高さの合計が120cm以内であること。
- ケースとペットの総重量が10kg未満であること。
- 他の乗客に迷惑をかけないと判断されること。
ペットを同伴する場合の乗車料金は、手荷物扱いとなり、ケース1つにつき290円が必要です。
新幹線車内でのペットは、ケース内に完全に収められている必要があり、乗車に際しては、他の乗客への迷惑を避けるための配慮が求められます。
また、1人の乗客が使用できるチケットは1枚のみのため、ペット用の追加指定席を購入することは許可されていませんが、290円の料金でペットを同伴できるのは、飼い主にとって魅力的な選択肢でもあります。
ペットの置き場所や席の選択に配慮し、特に隣接席への影響がないよう、ペットが新幹線での移動を快適に過ごせるよう備えましょう。